4月1日、日本中が新元号『令和』に沸きました。この発表のことで頭がいっぱいで、エイプリルフールだということを忘れていた人も多かったことでしょう。

ご存知の通り、日本では西暦と元号の両方が使われています。中国の元号制度が日本で採用されたのは645年。『大化』から始まり、『令和』は248番目です。現代では元号法によって、皇位の継承(天皇の代替わり)があった場合に限り法令で定める、という規定があり、明治以降の改元は天皇崩御に伴うものでしたが、今回は今上天皇の在位中に次の元号が内定されるという特殊なケースだったため、まるでイベントのように高揚感のある明るい話題となりました。

また、これまでの元号は中国の古典を典拠としていましたが、今回は万葉集の三十二首、梅花(うめのはな)の歌『初春(しよしゆん)の令月(れいげつ)にして、氣淑(よ)く風和(やはら)ぎ、梅は鏡前(きやうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香(かう)を薫(かをら)す。』から引用されたというのも面白い点です。

新元号の発表後、万葉集の関連書籍が軒並み書店で売り切れになっていることからも、日本国民の注目度の高さが伺えますね。

『令和』の意味は、単純にその漢字を元にして説明するのは難しいですが、安倍首相は談話の中で、「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という意味を込めたと説明していました。

ちなみに、『令和』を発音する時にどこにアクセントを置くべきかという議論が広がっていますが、内閣府によると「アクセントの規定はないので好きに発音して構わない」とのことです。官房長官と首相は語頭にアクセントを置いていましたが、現時点では放送各社で対応が異なるそうです。

西暦の方が便利なのになぜ元号を使い続けるのか?といった声もありますが、世界で最も長い歴史を持つ国としては、キリスト教由来の西暦とは違う独自の紀年法を持ち続けても良いのではないかと思います。

改元が決まって以来、耳にタコができるほど「平成最後の〜」という表現を聞いてきましたが、5月1日からは「令和最初の〜」が枕詞のように使われるのでしょうね。

 

万葉集の三十二首、梅花(うめのはな)の歌『初春(しよしゆん)の月(れいげつ)にして、氣淑(よ)く風(やはら)ぎ、梅は鏡前(きやうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香(かう)を薫(かをら)す。』

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